昨日1月10日は、母の命日だった。


テーブルに置いた母の写真の前に、白い薔薇を一輪飾った。
その隣に母の好きだったお茶を入れてから、おれは両手を合わせた。

風の強い日だった。
部屋の中は、静かで穏やかな時間が過ぎていった。


母が亡くなったあの日が、今鮮やかに蘇っていた。

時々壁の時計を見ながら、
あの日の同じ時間に何が起きていたのか、
その時自分はどうしていたのか、
おれは思い出していた。


あの1日は、もう7年前になっていた。

こうしてみると、随分と月日が経ったような、
ついこの間の出来事であったような、
不思議な感覚だった。


どの場面も、ありありと思い出すことができた。

すると、今でも自分がそこにいるかのように、
あの時と同じ感情や思いが、
自分の中から湧いてきた。


おれは、きっとこれから先も決して忘れることはないだろう。
かけがえのない愛するひとを失った悲しみを。
どうしようもなくやり場のない悔しさを。

そして、その時の気持ちや思いを深く胸に抱いて、
これからを生きていくだろう。


おれには今、はっきりとわかる。
悲しみや悔しさが深い分、
きっとそれは、未来の喜びに変えていくことができるのだと。
そして、それこそが、母が本当に願っていてくれたことなのだと。

そんなことを思いながら過ごした1日だった。


気づくと、壁の時計は、夜の12時を過ぎていた。


朝起きて、外を見た。
太陽がまぶしく輝いていた。

頭上には、あの日から7年経った空が、
どこまでも果てしなく広がっていた。