母が亡くなってから、いつの間にか6年近くになろうとしている。
故郷を出たあの夜からは4年経った。

こちらに来てから、いろいろなことがあった。
過去には考えられないほど多くの人間に出会った。

気づくと、自分の環境も、つき合う人達も著しく変わっていた。
おれはここには書ききれないくらい、気づきと学びの機会に恵まれた。

埼玉では2年半暮らした。
現在は東京に住んでいる。

20代の頃、故郷に帰る時、東京に戻ることになるとは考えもしなかった。
人生とは不思議なものだ。

再び東京で暮らし始めて、自分の中で20代の頃と、今とでは東京に対する捉え方が違うことに気づいた。

昔はついていけない所だったが、今は面白い所なのかもしれないと思っている。
ここは大変な数の人間が集まり、そして地方とは比べ物にならないくらいの速さで、日々変化している。

そんな東京で暮らしているうちに、おれは人生も面白いものかもしれないと思うようになった。
自分の人生はまだこれからだと思っている。

そう思えるようになったのも、故郷を出てから自分自身が変わってきたからだと思う。

20年以上の歳月を経ておれは今、20代の頃自分が暮らしていた東京に再びいる。