幼い頃、父が仕事から帰ってきた時、おれがやることは、いつも父の顔色を伺うことだった。

父の気分が悪い時、うちは地獄だった。

父は毎日酒を飲み、その日嫌なことがあった時には、決まって母に絡んだ。

そして、母の一生懸命に作った夕食の盛った皿を一つ一つ手に掴んでは、台所の流しへと力任せに投げて、割り続けた。
衝撃で皿は粉々になり、料理はあたり一面飛び散った。

父は怒鳴り続け、母は泣いていた。

まだ子供だったおれも、何もできなかった。
ただ泣くしかなかった。

その後、おれは父によって台所の床下によく長い間、閉じ込められた。
父が疲れて眠り、母が密封したままの床板を外して助けにくるまでおれは真っ暗な中、泣き続けた。

アダルトチルドレンの概念でいえば、
まさしくうちは、機能不全家族だった。

父が子供で、それ以外の家族が親の役割をしなければならなかった。
子供のおれが、子供らしさを安心して出せるわけがなかった。

子供のおれが、逆にその時の父のように振る舞うことは決して許されなかった。
その頃子供だった自分が、子供のようにその時の自分の感情を、いつでも自由に出すことはあり得なかった。

子供の頃のおれは、自分の感情を抑えて生きることが最優先だった。
その時は、それが自分にとって最も安全だったからだ。

だから、おれは、自分の本当の感情を感じなくした。
自分の言いたいことを言えなくした。
本当の自分を殺し続けた。

そして、おれは結局、自分自身をなくしてしまった。